海外文学

「怪物はささやく」 あらすじ紹介と感想 | 英文学最高峰W受賞

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イギリス文学
タイトル怪物はささやく
(原題:A Monster Calls)
著者パトリック・ネス
原案シヴォーン・ダウト
翻訳者池田真紀子
出版社あすなろ書房
出版年2011年
ページ数221 P
ジャンルダークファンタジー

 

ケインズ
ケインズ
今回は「怪物はささやく」を紹介するよ
リリー
リリー
ゲーム「ワンダと巨像」みたいな表紙ね
ケインズ
ケインズ
挿絵は「ICO」っぽさもあるかも
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英国が誇る児童文学

2011年に発表された「怪物はささやく」という作品。

優れた文学作品を生み出し続けるイギリスで、史上初、カーネギー賞とケイト・グリーナウェイ賞をW受賞しました。

日本では中学校の夏休み課題図書に選ばれています。

カーネギー賞 : 優れた児童文学に贈られる賞
ケイト・グリーナウェイ賞 : 優れた絵本に贈られる賞

 

リリー
リリー
ダークファンタジー…
剣や魔法が出てくるお話なの?
ケインズ
ケインズ
出てこないよ
末期ガンの母親と暮らす少年の物語なんだ
リリー
リリー
なんだか悲しいお話っぽい
ケインズ
ケインズ
悲しいけど、とても美しいストーリーだよ

 

2016年には映画化され、スペインで年間興行収入第1位に。

映画『怪物はささやく』公式サイト

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飴玉
飴玉
子役の演技がすごい

 

あらすじ

イギリスの田舎に住む13歳の少年コナー

唯一の家族である母親は、重い病気で入退院を繰り返していた。

いつからかコナーは悪夢を繰り返し見るようになる。

その内容はコナー最大の秘密であり、物語の終盤まで語られない。

そんなある夜、家の裏の丘に立っている大きなイチイの木が動き出す。

その怪物コナーに言った。

「わたしは滅多なことでは歩かない。これが四度目だ。以前、わたしが歩いたときの物語を三つ、おまえに聞かせる。わたしが三つの物語を語り終えたら、今度はおまえが四つめの物語をわたしに話すのだ。

 

ケインズ
ケインズ
このイチイの木は、誰かが助けを必要としているときに歩くんだ
リリー
リリー
じゃあコナーを助けるために来てくれたのね。四つめの物語って?
ケインズ
ケインズ
コナーもわけが分からない状態だよ

 

三つの物語

これまでにイチイの木が歩いたときの物語を簡単に紹介します

  • 1回目
    昔々、とある王国の話。若き王子は王宮に入り込んだ魔女を倒すために、民衆とともに城に乗り込んだ。イチイの木はその魔女を救うために歩いた。
  • 2回目
    昔、とある司祭の話。司祭の娘が病気になり、薬剤師に治療を頼んだが断られた。娘は死んだ。イチイの木はその司祭を懲らしめるために歩いた。
  • 3回目
    とあるの話。そのは誰からも見てもらえず、まるで透明人間のように扱われていた。イチイの木はそのを目立たせるために歩いた。は前よりも孤独になった。

 

リリー
リリー
3つともおかしいよ
矛盾してない?
ケインズ
ケインズ
「物語はいつもハッピーエンドで終わるとはかぎらないんだよ」
リリー
リリー
つまりコナーの、四つめの物語もそうだということ?
ケインズ
ケインズ
さぁどうだろう

 

物語は凶暴だ。野生の獣みたいなものだ。ときとして、だれも予想していなかった方角へ、とんでもない勢いで走り出す。

 

四つめの物語

怪物コナーに4つめの物語を話せと迫る。

コナーが隠している【真実の物語】を話せと。

そしてついに明かされる、コナーの胸の内に秘められた矛盾する思いとはーー。

 

リリー
リリー
これ児童文学だよね?
ケインズ
ケインズ
ちょっと重いよね
リリー
リリー
テーマが「母親の死」だし、誰にでも当てはまる物語だと思う
ケインズ
ケインズ
大人が読んでも刺さる内容だよね

 

まとめ

この物語にはコナーの祖母も登場します。

コナーから見れば「母親の死の物語」ですが、祖母から見れば「娘の死の物語」でもあります。

まだ若い女性が母と息子を残して死んでいく。

こんな不条理なことが現実には起こりうるのです。

そして、それを受け入れることが出来ずに苦しんでいるのがコナーでした。

 

コナーは自分の中にある2つの矛盾した感情に苦しめられています。

しかしその感情を押し殺して「何も知らない子供」を演じます。

 

そこに現れたのがイチイの木の怪物

怪物コナーに3つの物語を語ります。

そしてコナーは少しずつ自分の感情と向き合うようになります。

というより、無理やり向き合わされます。

 

この小説で描かれているのは、負の感情で押し潰されそうな人間の「心の解放」です。

物語がいつもハッピーエンドで終わるとは限りません。

現実は不条理で、理不尽で、矛盾だらけで。

それと折り合いをつけて生きていくしかないのです。

 

でもそれが難しいんですよね。

「私って不器用だな。生きるのが下手だな。」と思っている人に、是非読んでもらいたい小説です。

 

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